脳内物質アセチルコリンの効用:やる気スイッチ&創造力・ひらめき力増強

脳内物質アセチルコリンの効用:やる気スイッチ&創造力・ひらめき力増強

ドーパミンやノルアドレナリンがモチベーションに寄与する話は以前の記事に書きましたが、一方で脳科学的にはやる気やモチベーションといったものは存在しないという話があります。

これは定義の問題なのですが、「今すぐに何かを行おうという意味でのやる気やモチベーション」に関しては正しいです。

それならどうすればやるべきことを即座に実行に移せるのかというと、心理的障壁を極限まで低くして、とりあえずやりはじめてみることが解です。

「5分間だけ英語の勉強しよう」とか「とりあえず本を開いてみよう」とか「プログラム一行書いてみよう」とか「次のブログ記事の題名だけ考えてみよう」とかですね。

これは脳科学的に正しいアプローチであり、作業を始めるとだんだんと気分が乗ってきてやる気が出てくることがわかってます。

みなさんにもこのような経験があるのではないでしょうか?

心理学者のクレペリンはこの現象を「作業興奮」と呼びました。

そして、作業興奮を起こしている脳内物質が、本記事のテーマである「アセチルコリン」です。

本記事では、やる気スイッチをONにしたり、クリエイティブな活動、ひらめきに寄与する「アセチルコリン」について、書籍『脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法』を参考に紹介します!

 

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アセチルコリンとは?

アセチルコリンは、副交感神経の興奮や交感神経の抑制、運動神経の伝達物質として働く脳内物質(ホルモン)です。

アドレナリンが交感神経を刺激するアクセルだとしたら、アセチルコリンはそれにブレーキをかける役割を担います。

アセチルコリンは、脳の中の側坐核と呼ばれる部位の神経細胞に、一定レベルの「刺激」が来た時に放出されます。

冒頭で説明した「作業興奮」を引き起こすのもアセチルコリンですが、これは作業自体が側坐核への刺激となり、側坐核が自己興奮を起こすことによりアセチルコリンがどんどん放出されるためです。

アセチルコリンは午後から夜にかけて出やすくなっていき、睡眠中はレム睡眠時に脳内の記憶を整理する役割を担います。

記憶や認知機能に影響を与えるものであるため、アセチルコリンとアルツハイマーとの間には密接な関係があります。

アセチルコリンの効能

アセチルコリンが果たす効果について、以下に列挙します。

・やる気スイッチON

・認知機能やひらめきに寄与

・睡眠時の記憶整理

・脳や体の休息を促進

「アセチルコリン」はメディア等では普段あまり耳にしない言葉ですが、このようにわたしたちの生活にとても大きな影響を与える脳内物質なのです。

アセチルコリンと睡眠の関係

前述のとおり、睡眠中にはアセチルコリンの分泌は高まります。

これにより、脳や身体の休息を促進します。

アセチルコリンを用いた脳の休息法については、短時間の「昼寝」がおすすめです。

僅か30分の睡眠で、脳のパフォーマンスが30%以上向上することが種々の実験からわかっています。

さらに、昼寝の習慣はアルツハイマー病を予防します。

日本人を対象にしたある研究によると、毎日30分以内の昼寝習慣がある人は、そうでない人たちに比べてアルツハイマー病発症リスクが5分の1になるそうです。

しかし、昼寝時間が一時間以上であると、アルツハイマー病の発症リスクは逆に2.6倍にまで高まるそうです。

つまり、一日30分以内の昼寝が最適であることがわかります。

アセチルコリンがヒラメキを生む

アセチルコリンは、睡眠時の他にも瞑想時やウトウトしているとき、リラックス時などに放出されます。

アセチルコリンが分泌されると、脳内で記憶を司る海馬に刺激を与えます。

すると、海馬はシータ波と呼ばれる脳波を出します。

シータ波は、気持ちが落ち着いているときに出るアルファ波よりも周波数が小さく、ヒラメキに直結する脳波です。

何故なら、シータ派が出ている状態は、脳内の情報と情報とを結びつけるシナプス同士の結合が無数に行われているからです。

論理を超越した情報(シナプス)の結合が生じるため、シータ派が出ているときは面白いアイデアが生まれやすい状態なのです。

睡眠時に奇想天外な夢を見るのも、アセチルコリンが放出されることにより同様のことが起こっているためです。

アイデアが生じやすい環境:創造性の4B

アイデアが生じやすい場所として、「創造性の4B」という言葉があります。

これは、ベッド(Bed)、バー(Bar)、お風呂とトイレ(Bathroom)、バス等の乗り物(Bus)の頭文字Bを指しています。

どれも、真剣に考え事をするというよりも、ゆったりとくつろぐような場所ですね。

これらの環境は、アセチルコリンが出やすい環境であり、面白いアイデアが生まれやすいのです。

また、アセチルコリンは前述の通り夜に近づくに連れて分泌されやすくなります。

従って、脳がシャキっとしていてセロトニン優位である午前中には論理性が高い困難な仕事に取り組み、午後のまどろんでくるような時間帯はクリエイティブな活動を行うのが良いですね。

ただし、ヒラメキを生むためには、その元となる大量の情報のインプットが欠かせません。

天才達のヒラメキも、膨大な時間(努力)により培ったインプットが支えているのです。

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まとめ

作業興奮を引き起こしてやる気を高めたり、ヒラメキを起こしやすくしたり、睡眠時にも記憶に関わる重要な役割を担う脳内物質アセチルコリンについて説明しました。

脳の特性を理解することで生活を最適化し、時間密度を何倍にも高めていきましょう!