【料理の科学】みりん・料理酒を用いて調理する効果と科学的な理由

【料理の科学】みりん・料理酒を用いて調理する効果と科学的な理由

蒸し料理や煮込み料理のレシピを見てみると、みりんや料理酒を利用するが頻出しますよね。

みりんや料理酒、ワイン・日本酒などに含まれるアルコールがどのような調理効果を持っているかについて、普段の食事から感覚的に理解している人は多いと思います。

なぜ、蒸し料理や煮込み料理にみりんやお酒を利用するのか?

実は、酒類調味料には料理を飛躍的においしくする様々な効果があることが研究によりわかっています

本記事では、酒類調味料による調理効果についての論文の内容を紹介するなかで、お酒と料理の科学に迫ります!

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浸透効果

蒸し料理の際には調味料を食材の中にしっかりと浸透させることがおいしくするコツですが、ここで登場するのがアルコールです。

蒸し料理の主役である肉に対して、水に浸した場合に比べてアルコールを用いた方が、食塩、糖類、アミノ酸、有機酸などのうまみ成分の浸透量が多いということが実験により分かっています。

以上から、蒸し料理ではお酒やみりんを用いることにより、食材の中にまでしっかりと味を浸透させることが出来るため、おいしい料理が出来上がるのです。

食材内のエキス保存効果

料理酒には、味を浸透させるだけではなく、肉に含まれるうまみ成分などのエキスを肉内に保存する効果があります。

肉を水に付け込んだ場合に比べて、料理酒を含ませた水溶液に付け込んだ場合の方が、アミノ態窒素などといった肉本来のうまみ成分が外に出ていくことを防ぐことができるのです。

なお、この作用は清酒よりもみりんを用いた方が効果が高いことが分かっております。

殺菌・消臭効果

アルコールは殺菌効果が高いということは周知の事実でしょう。

インフルエンザウイルスや風邪が流行る冬の季節には、殺菌用に手に塗布するためのアルコールがデパートや会社などいたるところに置かれていますよね。

実は、アルコールには殺菌だけでなく消臭効果もあります。

消臭作用機構には様々なものがあるのですが、アルコールでは共沸効果、すなわち臭いの元となる物質と共に蒸発していくことによる物理的消臭効果と、αージカルボニル化合物とアミン類との反応などといった化学的反応による消臭効果があります。

なお、魚の生臭さに対しては清酒を用いるよりもみりんを用いた方がより消臭効果が高いことが研究によりわかっております。

つや出し効果

みりんに含まれるグルコースやオリゴ糖といった糖類により、料理にテリとツヤが与えられて視覚的効果が得られます。

みりんに含まれるグルコースは特に光沢度が非常に高いことが知られており、一段と料理が煌びやかに仕上がります。

なお、清酒などのグルコースが多く含まれない料理酒を用いた場合は、残念ながらこの効果は得られません。

料理にテリやツヤを与えたければみりんを用いましょう

食感改善

アルコールには、煮崩れ防止効果があります。

じゃがいもをみりん、煮みりん(アルコールを飛ばしたもの)、エタノール溶液(2.1%)、水にそれぞれ浸して加熱した場合の溶液の吸光度(濁度)を調べた研究があります。

吸光度(濁度)が大きい
=水溶液が濁っている
=ジャガイモの成分が溶出している
=煮崩れしやすい

ということが言えます。

その試験の結果は、みりんに浸けた場合がもっとも吸光度が小さく、煮切りみりんとエタノール溶液に着けた場合がほぼ同じ値で次点に位置し、水が最も悪い結果となりました。

以上から、清酒よりも本みりんを用いた方がより煮崩れしにくくなることがわかります。

まとめ

科学的な研究により示された、みりんやお酒を料理に用いる効果について紹介しました。

ここまで読んだ方はお気づきだと思いますが、お酒よりもみりんの方が調味料としては圧倒的に優秀ですね!

手元にみりんがあるときは、みりんを優先的に用いましょう。