【書評】拝金、堀江貴文 著:小説?ホリエモン自伝?フィクションとノンフィクションのシナジー

【書評】拝金、堀江貴文 著:小説?ホリエモン自伝?フィクションとノンフィクションのシナジー

『拝金』と聞くとどんなイメージが湧きますか?

お金に汚いイメージや、悪いことをしてでも荒稼ぎするイメージでしょうか?

そんな負のイメージをまとう『拝金主義者』のレッテルをマスコミから張られた過去を持つホリエモン。

彼の半生を交えつつ、うだつの上がらない青年がひょんなことから大金持ちのオッサンと出会い、師弟関係となって、やがて大金を稼ぎ出すジェットコースターフィクションが、本作品『拝金』です。

フィクションとノンフィクションの融合。

「事実は小説よりも奇なり」の「事実」を小説に組み込む手法。

その事実の元となる人物が【時代の寵児】と呼ばれるほどに一世を風靡した後、刑務所に入るという数奇な人生を歩むホリエモン

面白くないはずがない本作品の面白さと教訓を、ストーリーのネタバレを控えつつお送りします!

ちなみに私は年間100冊ぐらい本を読んだりするのですが、本作品は小説としても普通に面白かったです。経済学の基礎や、ビジネスをやる上での心構えを楽しみながら学べます。

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拝金:珠玉の名言・教訓集

本書はジャンルとしては小説ですが、堀江氏の自伝のようなものでもあり、要所要所に深い洞察や名言が散りばめられております。

それでは、この本に書かれている名言・教訓を見ていきましょう!

 

ゲームに勝つなんて簡単さ。必ず自分が勝てるルールを作ればいい。

(出典:拝金, 堀江貴文 著 (2010), 以下引用部はすべて同様)

いきなり強烈なのが来ましたね!『私がルールブックだ!』ってやつですね。。

経営者と従業員の根本的な思考の違いはこの辺にありそうですね。

経営者に限らないですが、世の中を動かす側の人の発想だなぁという印象です。

自分が勝てるようなルールを作ると言ってますが、実際にこの小説の中で行われることはちょっと違いました。

むしろ、ルールを熟知してそのルールの穴を突くことにより、どう転んでも自分が勝つように綿密に計画を練る、ということでした。

 

金の価値は交換したい個人の「欲望」でいくらでも変動する。ある物に対して、どんなことをしてでも欲しいと思えば、金の単位的な価値は低くなり、逆に大して欲しくないならその価値は高くなるだけだ。いわゆる、高いとか安いとかは、世の中にはびこる適正価格を意識したもので、それはあくまで、このくらいの値段で交換したいという、欲望の平均的な数値にすぎない。

まるで経済学の授業を受けているような深い内容ですね。需要と供給の釣り合うところが適正価格、とは経済学で教わりますが、もう一歩踏み込んでいる内容です。

それは、個人の欲望によっても、モノの価格は変化するということです。

マスで見た世の中全体での需給バランスだけでなく、ミクロで見た個人レベルでも金銭価値は変動しうると言っております。

例として出てくるのは、キャバ嬢が汚いおじさん相手だと大金を要求するが、イケメンが相手だと話が全然変わってくるというものでした。

なるほど、深い・・・

 

「金持ちになるっていうのは、キャッシュをどれだけ動かせるか。そして、キャッシュを動かすには、会社を経営するのが一番ってことだ。いいか、誰だってやり方さえ間違わなければ、年商1000万円の会社くらい簡単に作れるんだ。少なくとも会社勤めの給料分くらいの利益は出せる。でなければ、世の中にこれだけ会社があるはずないじゃないか。」

私はこれまでずっと疑問に思っていたことがあります。それは以下のような疑問です。

自営業を含めると400万社もの会社が日本には存在していて、従業員みんなが生活可能な水準の給料を得られている。ってことは、実は起業って思っている以上に簡単なんじゃないか?という疑問です。

その回答が、上の引用文となります。

やはりか、と思うと同時に、もっと早く知りたかったとも感じました。。

ちなみに、年商を学力に変換すると、義務教育が年商1000万レベルであり、有名進学校に入れるレベルが年商1億円レベル、東大が年商10億レベルだとのこと。

頑張れば、年商1億円は行けそうな気がしてきますね!

商売の極意はやりたいことをするんじゃない。やっちゃいけないことを、しないこと。

商売では、引き算の発想が大事だという教訓が、本書内で何度か登場しておりました。

さて、ビジネスを自分で始めることの重要性はわかりましたが、ビジネス経験の無い人が、実際にどんな商売を始めればいいのでしょうか?

ビジネス初心者四か条

  • 元手はかけない
  • 在庫ゼロ
  • 定期収入
  • 利益率

これは、ホリエモンファンの人たちには有名なんじゃないですかね。

ホリエモンが商売を始める人へのアドバイスをするときによく登場する、極めて合理的な考え方です。

元手を掛けなければ、生活費以外での出費は出ないため、少ないリスクでビジネスを始められます。

在庫ゼロも、同様ですね。在庫は、仕入れ価格だけでなく保管場所代も必要となりますから、二重で出費がかさみます。

定期収入は、安定的に収入が入るという意味で、これが無いと不安に押しつぶされそうです。

利益率は、要はコストパフォーマンスですね。高いに越したことはありません。

これらすべてが当てはまるビジネスって何がありますかね?

そう、Webサービスです!

サーバ代やドメイン代は年1~2万円ほどかかりますが、店を構えたりすることと比較したらゴミみたいな出費です。

Webサービスというと、プログラミング能力や高度な知識が必要なイメージがあるかもしれませんが、ブログやアフィリエイトも立派なWebサービスです。

隙間時間にモノを書くことにより、読者に価値を提供し、その結果としての対価を得るというブログやアフィリエイトは、とても合理的なビジネスだと思います。

ちなみに、本ブログは始めて1.5カ月程度なのですが、雀の涙ほどではありますが先月から収益が得られ始めました。

自分の力で得た初めての収入だったので、数字は小さいですがちょっとした感動を覚えました。

月数万円得られるようになるのはいつになるかわかりませんが、維持費がほぼかからないため、気長に続けていこうと思えます。

ホリエモンのビジネス四か条にも当てはまってますしね!(利益率は未知数ですが…)

関連記事:ブログ開始1ヶ月目の成果報告と分析(2018年8月)

「攻めるときは、攻め続けなくてはいけない。ここで金を出し惜しみするから、みんな、すべてを失うんだよ。2億儲かった、もう十分だ、これでいい。経営者が満足した時点でベンチャーは終わる。ベンチャーは拡大を止めた時点で死ぬ。よく覚えておけ。」

これは、事業が軌道に乗って、ビジネスが成功したあとの話ですね。一定レベルの成功で満足しては、あなたの成功はそこまでだ、とのことです。

何をやるにしてもそうだと思いますが、目標は可能な限り高くした方が、最終到達点は高くなりますね。

十数年前、ノリに乗ったライブドアによる一気呵成のM&A劇は、見ている方もシビレる勢いでした。ベンチャー企業たるものそうであれ、というメッセージなのかもしれません。

 

「いい経営者になるなんてことは必要ない。ただ、有名な、誰もが知っている会社の社長になればいいんだ。人はな、いい物を買うんじゃない。自分が知っている物を買いたがる。もっと言えば、買って、人に自慢できるものを欲しがる。いい物が売れるんじゃなく、有名な物が売れるんだ。」

この辺、真理ですよね。ブランド品とかまさにその通りですよね。ブランド品は確かに良いものではありますが、値段相応かというと全然そんなことなかったりしますもんね。

結局、人が商品に対して求めるものは、機能性か、もしくは社会的ステータスやシグナリングのためなのかもしれませんね。ちょっとお高いですが、その両者を満たすのがブランド品なのでしょう。

ちなみに私はブランド品や自動車、時計などに対する物欲はゼロですが、ガジェットや最先端のハイテク機器関係に対しては物欲の権化と化します。。

Oculus Go欲しい!!

以下、主人公の青年が女子アナたちとヒルズ族との合コンの場にて、女子アナそっちのけで大金持ちのオッサンと、とんでもない荒稼ぎの手法に関してコソコソ話した後、高笑いした場面にて。

ヘンな薬でもキメて、ハイになったと思っているに違いない。ああ、そうだ。でもドラッグじゃない。情報という、究極のクスリ。ボロ儲けという、至高のクスリ。これ以上の快楽は存在しなかった。おまえら、知らねえだろ?

うん、知らないっす。いつか知ってみたいっすw

新聞業界の儲けのカラクリ

ビジネスのプロ中のプロであるホリエモンが、本書の中で二つほど、儲けのカラクリを説明します。

そのうちの一つ目は、ずばり新聞業界!!

最近は若者の活字離れとデジタル化が進み、斜陽産業とまで言われている新聞業界。しかし、実は新聞はタダで配っても、販売店も新聞社も儲かるのです!

その儲けの要点は以下です。

販売店の場合

  • 販売店の利益の大半は、新聞に入れる折り込みチラシの広告料
  • チラシの広告料は、販売部数に依存

🔜新聞代金ゼロであっても、新聞を配れば配るほど販売店は儲かる!

新聞社の場合

  • 新聞社の大きな収益元は、新聞内の広告欄
  • 総部数が増えれば増えるほど広告欄の値が上がる
  • 新聞の紙面の半分は広告欄

🔜新聞代金ゼロであっても、新聞を配れば配るほど新聞社は儲かる!

スキームマフィア!!新聞業界は、長年に渡って絶対に勝てるゲームをしているようです。

 

印刷代や記者の人件費なんて、広告収入で 賄えるどころか、新聞社はそれだけで十二分に儲かっているんだ。タダで配って部数を増やせば、有料にするより利益は高くなる。配達コストは、折り込みチラシの収入を充てればいい。利益率でいえば、日本の新聞は最高のモデルだよ。

ちなみに、新聞業界とは比べ物にならないほどあこぎなスキームがはびこるマスコミ業界についても、一刀両断されてます。

とてつもない規模のカルテルを持ち、暴利を貪るマスコミ業界の実態については、是非本書を手に取ってご確認ください。本書のハイライトと言っても良い、痛快な場面をお見逃しなく!

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まとめ

フィクションとノンフィクションの融合体である『拝金』。どこからがフィクションでどこまでがノンフィクションなのか、境界線がわからないほどストーリーがしっかりしてます。

最後に、本書にまつわる堀江氏の言葉を引用して終わりにします。

タイトルは「拝金」。イメージの悪い言葉だけど、僕はどうしてもそれをタイトルにつけたかった。お金を手にして突き抜けないと分からない世界があることを、どうしても伝えたかったからだ。

この本を読めば、きっと誰もが突き抜けられる。そんな思いを込めながら、この小説をみなさんに発信します。