【3年間でコスト半減!】太陽光発電の他を圧倒する価格推移と明るい未来の展望

【3年間でコスト半減!】太陽光発電の他を圧倒する価格推移と明るい未来の展望

世の中において平等なものって少ないですよね。
『一日の時間』と『太陽光』ぐらいではないでしょうか?

一昔前、福島原発事故が生じた時点では、太陽光発電は技術的に見て無謀な技術でした。

当時のわたしは、リスクはあれど低コストでクリーンな原発に肩入れしていました。
それが経済合理性的にも人命(地球環境)的にも最適解だと考えていたからです。

従って、あの頃の太陽光発電支持者達は、科学技術を知らない無知な理想論者としてしか、私の目には写りませんでした。

それが、2018年現在はいかがでしょうか?

2010年から2017年までの7年間で、太陽光発電の発電コストはなんと約73%もダウンしております!

さらに、2020年までにはコストが半減すると国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が予測しております。

愚かであったのは、狭い視野しか持たなかった私の方であり、再エネ推進派が正しかったと現在では思っております。

しかし、本当に正しかったのは、彼らの中でも2011年の災害時点で太陽光発電容量の指数関数的な増加それに基づくコスト減少の継続的な推移を予期していた人に限ります。

本記事では、平等性の高い夢の技術『太陽光発電』の、昨今の目を見張る進化速度と今後の展望について、公開されている公的文書をもとにご紹介します。

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太陽光発電の仕組み

太陽光発電とは、太陽光のエネルギーを電気に変える発電手法ですが、その仕組みは光電効果半導体で説明できます。

光電効果とは、光を当てると電子が飛び出すという現象のことで、高校の物理で習った覚えがある人もいると思います。太陽光パネルは、光電効果が起きやすく、かつ半導体であるシリコン系がメインの材料としてつくられます。

半導体とは、金属などの電気を通しやすい導体と、ゴムなどの電気を通さない絶縁体との中間に位置するものであり、ある条件では電気を通すような構造をしております。

例えば、LEDやコンピュータなどに使われており、高度に発展した現代の科学技術においては、なくてはならないものです。

この半導体の性質と、光電効果をうまく組み合わせることにより、一方方向に持続的に電気を流せるようにしたものが太陽光パネルです。

固定価格買い取り制度:FITとは?

固定価格買い取り制度(FIT)とは、所定の期間において国が法律で定めた価格で電力を買い取る制度であり、主に再生可能エネルギーの普及とそれに伴うコスト低減を支援するために設けられる仕組みです。

日本では2009年から余剰電力に対して導入され、東日本大震災後の2012年からは全量買取制に制度が変更しました。

当時はソフトバンクの孫正義氏のゴリ押しっぷりが印象的でしたね。

どう考えてもボロ儲けの補助金設定でしたが、当時の私は学生でしたので、太陽光発電システムを買いたくても先立つお金がなくて買えない状況がもどかしかった覚えがあります。

FIT制定後は、年が経過するにつれて技術の普及が進むと発電コストが下がっていきます。

従って、新規導入設備に対するFIT価格もそれに伴い段階的に下落していきます。

しかし、これはあくまで新規契約分であり、一旦契約して発電を開始したシステムは、その後決められた期間の間(10kW以上の産業用だと20年間)、契約時の価格で売電し続けることができます。

なお、太陽光発電に対するFIT価格の推移は以下のようになっております。

2012年当初に比べて現在では固定買取価格が激減していることがわかりますね。

出典:Wikipedia

太陽光発電容量の指数関数的増加とそれに伴うコスト推移

それでは、太陽光発電コストの推移をみていきましょう。

まずは世界での推移からです!

世界での太陽光発電コストの推移

下の図は、様々な再生可能エネルギー手法のコスト推移を示しております。

出典:IRENA

図1 再生可能エネルギーの累積配置とコスト推移の関係

黄色のプロットが太陽光発電(PV)を示しております。

縦軸が1kWhあたりの発電コスト(米ドル換算)です。
横軸は累積配置容量を示しており、単位はMW(メガワット)です。

累積配置容量というのは、世界中でこれまでに作られた太陽光発電設備の総発電可能容量のことです。

丸い点のプロットは各年での実際の値になります。

注意が必要なのは、横軸が対数軸になっているということです。つまり、等間隔の太い黒線毎に値は10倍になります。

例えば、2010年には4万MWであった累積配置容量が、2017年には約10倍である40万MWになっております。

ここで注目していただきたいことが二つあります。

一つ目は、2011年以降に横軸方向に対してほぼ等間隔でプロットされているということです。

これはつまり、毎年同じ程度の伸び率で総発電容量が増加しているということを示しております。

これは、ムーアの法則などに見られ、科学技術ではよくある指数的推移(収穫加速の法則)の発現ですね。

以下の図は、IRENAのページから得られた各年ごとの累積容量をプロットしたものです。

図2 各年の累積配置容量

横軸が年(時間)で、縦軸が累積配置容量となります。

縦軸が対数軸であり、赤い二重丸がプロット点、青い線がその近似曲線(指数)となります。

対数軸に対して近似曲線が直線的に引けているということは、毎年同じ割合で累積配置容量が増加しているということをより鮮明に表しています。

ちなみに、累積配置容量は、2011年から2017年までの間、年間平均30%以上のペースで増加しております。

総量が毎年1.3倍になるということですから、ものすごいペースですね!

この設備容量の圧倒的な増加速度をけん引しているのは、一体どこの国でしょうか?

そう、21世紀のモノづくり大国である中国です。今後もこのペースが続くかどうかは中国次第かもしれません。

さて、それでは再度、図1を見てみましょう。

出典:IRENA

図1 再生可能エネルギーの累積配置とコスト推移の関係

図にて注目すべき二つ目のポイントは、累積配置容量が指数的に増加するにつれて、発電コストは線形的(直線的)に減少しているということです。

このように、今後も累積配置容量が増加すればするほど、発電コストはさらに減少していく、ということが示唆されます。

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日本での太陽光発電コストの推移

次に、日本における太陽光発電コストの推移を見てみましょう。

ちょっと細かい数字がややこしいですが、大局観をお掴みいただければオッケーです。

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、2014年に太陽光発電開発戦略、通称NEDO PV Challengesという技術指針を策定しました。

2013年の時点では発電コストは23円/kWhとなっておりましたが、2020年での目標コストは業務用電力価格並みである14円/kWh、2030年では基幹電源発電コスト並みである7円/kWhを目指しています。

つぎに、現在までの発電コストの推移を見てみましょう。

以下の図に示すNEDOの試算(緑のライン)によると、非住宅用(産業用)の発電コストは2012年以降ほぼ線型的に低下しており、2017年では13.3円/kWhとなっております。

出典:NEDO

この時点で、すでに2020年の目標値であった14円/kWhを達成しております。
そこで、2030年の7円という目標を5年前倒すことを目指すとのことです。

なお、主に住宅用(10kW未満)として使われる太陽光発電システムによる発電コストは、以下の図の通り2017年時点で17.6円/kWhです。

緑のラインを見ると、2015年以降は下げ幅が小さくなってきて下げ止まり傾向にあることがわかりますね。

出典:NEDO

一方、全国家庭電気製品公正取引協議会では1kWhの住宅用の電力料金の目安単価を27円と定めております。

従って、家庭で電気を利用する場合に対して約2/3のコストで発電できるようになったということです!

FIT制度が終わっても、発電された電気を家庭で利用し続けるだけで利益を得続けることができるということです。

太陽光発電による発電コストの計画方針

NEDOの定めたロードマップでは、2050年には7円を下回る発電コストの達成を目指し、国内の1次エネルギー需要の5~10%を太陽光発電で賄うことを目標としております。

なお、2018年7月に政府により改定されたエネルギー基本計画では、再生可能エネルギーを2050年には主力電源化するよう育てていく方針と宣言されました。

しかし、2030年での再生可能エネルギーの目標割合は22〜24%と、当初の予定から変更はありませんでした。

これは、非常に控えめな目標に見えます。

何故なら、欧州では2030年までに再生可能エネルギーの割合を27%とする予定でおりましたが、2018年6月には技術開発ペースが想定よりもずっと早いことから目標値を32%に切り上げたところだからです。

この約10%の差はとても大きいものに思えます。

変換効率の計画

一方で、太陽光からのエネルギーをどれだけ電気に変えられるかという変換効率に関しては、2025年には25%、2050年には40%以上の超高効率太陽電池の開発を目指すとのことです。

技術開発の方には強気の姿勢であり、意欲的なようです。

なお、現在の変換効率は単結晶型シリコンという高効率タイプで20%程度ですね。

2020年までに太陽光発電コストがさらに半減!?

IRENAのレポートでは、このままのペースで累積設置容量が増加していくことにより、2020年には現在の発電コストの半額である0.06USD/kWhになり得るということが報告されております。

現在の化石燃料による発電コストの下限値が0.05USD/kWhであるため、太陽光発電(または風力発電)がコスト面で最安値となるのは時間の問題かもしれません。

日本でもそうなるにはまだまだ時間が必要だとは思いますが、NEDOの計画通りに進んだら2030年頃には有り得ますね。

何故日本の太陽光発電コストは高いのか?

海外で最もコストが安いUAEのプロジェクトに比べると、日本の太陽光発電コストが三倍です。

日照量にかなり差があるとはいえ、似たようなシステムにもかかわらず、なぜ日本の発電コストはそんなにも高いのでしょうか?

Bloombergの記事では、以下の三つが理由であると書かれています。

①土地が高い

②人件費が高い

③災害が多いことによる保険が高い

これらの事情により、太陽光パネルやモジュールが劇的に安くなったとしても、日本国内では価格にそこまでのインパクトを与えられないのかもしれません。

とはいえ、まだまだ効率化・合理化・ノウハウの蓄積によるコストダウンは続くでしょう。

家庭用太陽光発電システムを導入するなら早い方がお得

家庭用太陽光発電システムを導入する利点としては、その経済合理性につきます。

一般的には年利10%以上が見込まれるため、家庭用のFIT期間である10年以内に基本的に原資回収が可能です。

経済性に関しては、以下二点が注目すべき事項として挙げられます。

・導入は早ければ早いほどお得

・FIT期間終了後も利益が得られ続ける

導入時期は早い方がお得

先程もご紹介したNEDOの資料をみるとわかるとおり、家庭用太陽光発電システムに関しては、発電単位あたりの価格が線形的に下落しておりましたが、近年では下げ止まり傾向にあることが見て取れます。

世界の太陽光発電システムの価格推移と比べると、日本の価格推移は鈍いのですね。

一方で、FITの固定買取価格は近年線形的に下落しております。

ここで、注目すべきはその勾配です。

家庭用太陽光発電システムの単価に比べて、固定買取価格の方が急勾配で下落しております。
(産業用も同様の傾向にあり)

これは、システムの導入が遅れれば遅れるほど、得られる利益(売電価格と発電単価との値幅)が小さくなっていくということを示しています。

以上の理由から、システム導入を検討している方は、早期導入をおすすめします。

家庭用太陽光発電、産業用太陽光発電(10kW以上)ともに一括見積ができるタイナビがおすすめです。

産業用に関しては物件数が豊富にあるため、私も何度か情報調査で利用したことがあります。

一分程度で無料で見積りが得られるので、太陽光発電システムの導入を検討している方や情報収集をしている方はぜひ利用してみてください。




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FIT終了後も利益が得られ続ける

FITは、太陽光発電システムにより発電した電力を一定期間に渡って決められた価格で買い取ってもらえる制度でした。

FIT期間終了後には、その縛りが無くなるため、1kWhあたりの買取価格は数円台になるとも言われております。

となると、家庭用太陽光発電システムは、FIT機関の10年間でお役御免かというと、そんなことはありません。

何故なら、太陽光発電システムは既にグリッドパリティを迎えてるからです!

グリッドパリティとは、家庭用電力の購入単価を太陽光発電システムによる発電単位が下回ることです。

現在の家庭用電力は、すでに示したように1kWhあたりおよそ27円で使用できるのですが、NEDOの資料を見るとわかるとおり、太陽光発電システムの発電単価は既に10円台後半です。

つまり、語弊を恐れずに言うと、太陽光発電システムにより発電した電力を家庭で使えば使うほど、利益は大きくなるのです!

太陽光パネルは、30年間使用できると言われております。劣化率も20%程度なので、長きに渡って活躍し続けてくれます。

パワーコンディショナは保証期間が10年とかですので、定期的に買い換える必要があります。

パワーコンディショナ代やメンテナンス代を超える利益が生み出せる限り、太陽光発電システムを継続使用し続けることが、経済合理的であり、かつエコな選択と言えるでしょう。



おまけ:蓄電技術の飛躍による蓄電池のコストダウン

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーには、出力が時間により安定しないという欠点があります。

一方で、これら発電技術のメリットは、その分散性にあります。

これまでの主要な発電技術は、大規模な発電設備を用いて大量の電力を生み出すという一極集中型の手法でした。

しかし、太陽光発電などは、小規模な発電設備を屋根や使わない土地などに分散化して設置することができます。

ここで重要になってくるのは、余剰分は貯めて不足分は補うような蓄電池です。

蓄電池のデメリットは、高価であるということが挙げられます。それがボトルネックとなり、再エネ技術が大規模に普及していかないという側面があります。

そんな中、近年では蓄電池の価格が一気に下落してきており、再エネの普及を後押しし始めております。

そして遂に、蓄電池のコストダウンにより、FITの補助金に頼らずとも風力発電でも事業の採算が成り立つようになったとソフトバンクグループが発表しました!

かつては電気容量1kWhあたり20万円していた蓄電池が、韓国の蓄電池メーカーにて10万円程度になっており、量産を見込めば5万円が見えてきたとのことです!

なお、蓄電に関する最先端技術については以下の記事にまとめておりますので、ご興味があればお読みください。

関連記事:【最先端技術】全固体リチウムバッテリーによる蓄電技術のパラダイムシフト

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まとめ

世界と日本における太陽光発電のこれまでの流れと今後の展望について、公的文書をもとに外観しました。

太陽光は価格的にも技術的にもブレークスルーする直前にあり、現在は過渡期であるということがご理解いただけたでしょうか?

長い記事でしたが、ここまでお読みくださりありがとうございました!

その他の最先端科学技術シリーズは以下からどうぞ!