台風や大雨の時、一瞬パッっと電気が消えて、すぐ戻る。
そんな経験はありませんか?
停電か!と思いきや即座に復帰。
これを瞬停といいます。
今回は瞬停の原理と電子機器に与える影響、対策を解説します。
台風時等に一瞬停電するのはなぜ?
一瞬停電する「瞬停」
電力会社の送電線からの電力供給が一瞬断たれる現象のことを、
「瞬停(しゅんてい)」あるいは「瞬断(しゅんだん)」等といいます。
基本的には、送電電圧の低下によります。
電圧は「電気を送る力」と解釈していただければOKです。
重いものを運ぶとき、少し気を緩めるとガクッとするようなイメージです。
突発的に電力需要(負荷)が上がった際に、送電線の電圧が低下することにより発生したり、
電力会社による送電設備の切り替え等によって発生します。
台風で瞬停が起こる原因は?
では台風時になぜ瞬停が起こるのか?
原因は電力供給ライン(送電線や配電設備)の接触不良によるものが殆どです。
暴風雨の影響により、接触が良くなったり悪くなったりした結果、電圧が乱れます。
一瞬停電(瞬停)の家庭への影響と対策
では、瞬停は私たちにどのような影響を与えるのでしょうか。
ビックリしたり目がチカチカするのは勿論ですが、
やはり電気のトラブルなので電化製品への影響が大きいです。
家電への影響
冷蔵庫やエアコン、テレビ、洗濯機等の何処の家にもある家電。
冷蔵庫等、アナログスイッチで出力を調整するものであれば、
一度瞬停して停止しても、再度動き出すので問題ありません。
(機器保護の観点でよろしくはありませんが)
しかし、電気的なON/OFFのスイッチがあるものは注意が必要です。
洗濯機であれば、回している最中に瞬停して停止した場合、
再起動するか、途中の工程から再開させる必要があります。
ただし、一度瞬停が起きると、立て続けに何度か起こったり、
そのまま停電する場合がありますので、落ち着いてから回した方が良いでしょう。
また、エアコンについては、もう一度入れれば良いのですが、
何らかの理由で室温を管理する必要がある場合は、必ず止まっていないか確認しましょう。
なお、これらの機器は瞬停しても、
送電停止時間によっては影響なく動き続けることもあります。
パソコン等の精密機器への影響
瞬間的に停電して、一番影響が多いのはやはりコンピュータ関係でしょう。
パソコンも一瞬の停電では強制シャットダウンされないこともあります。
概ね、10ms以内であれば全然問題ないようです。
(ms:ミリ秒ですので、10msは0.01秒となります)
しかし、消えた場合ソフト・ハード的にもダメージが大きい上に、
未保存のデータを失うことがあります。
日頃から細目なデータ保存を心掛けましょう。
そして、可能であれば私も愛用しているUPSの導入をおすすめします。
無停電電源装置(UPS)導入のススメ
当ブログでも何かに関連付けてよく登場する無停電電源装置(UPS)ですが、
設置すると具体的に何に役立つのかというと、PC等の機器保護に最適です。
UPSの効果
具体的には、以下のような効果があります。
・瞬停しても強制シャットダウンすることがない(そのまま使用可能)
【停電の場合】
・未保存のデータ等を保存した上で適切にシャットダウンできる
さらに、UPSにWiFiルータ等を繋いでおけば、
UPS作動中は瞬停・停電時もネットが切れることがありません。
つまり、パソコン・ネット利用の観点において、瞬停を恐れる必要がなくなります。
このときの電力供給の動きは、
通常の送電⇒ 瞬停と同時にUPS電源に切替⇒ 送電復帰とともに送電側に復旧
です。
そして、復旧が無く停電が確定したら、トレーダーの方なら急ぎポジションを解消したり、
ネットゲーマーなら確実にログアウトしたりする処置をとることが可能になります。
何秒間も電気が途絶えていれば、停電と判断して良いでしょう。
なお、物によりますが、UPSは安いものでも停電から3~5分程度は電源を供給可能です。
著者のおすすめUPS
著者のおすすめ品を紹介します。
用途は家庭用のPCのバックアップを想定しています。
今回紹介する3点は常時商用給電、あるいはラインインタラクティブ給電という給電方式であり、
これらも送電網からUPS電源に切り替える際、10ms以内の瞬停が発生します。
しかし、先程の述べたとおり、PCは10ms程度の瞬停であれば強制シャットダウンすることはないため、問題ありません。
著者はこれを使っています。
PCの他に、WiFiルータ―とモニタを接続しています。
瞬停時は何事も無かったかのようにPCを使い続けることができ、
停電時も3~5分程度電力を供給してくれます。台風毎に救われている気がします。
なお、台風以外でも雷対策やブレーカーが落ちた際の対策にもなります。
おすすめ品の低容量版。
ライトユーザーの方のPCなら恐らくこれで十分です(確認は必要ですが)。
上記の大容量かつハイスペック版。
上記の安価な2つは、出力電圧の波形が矩形波(疑似正弦波機能あり)です。
詳細な説明は省略しますが、精密機器への給電は正弦波がベストです。
本UPSには正弦波が採用されています。
また、電圧の制御精度が高いラインインタラクティブ方式が採用されています。
PCが生命線レベルな方や、サーバーPC等、
多少のコストを費やしてもリスクをより低減したい方向け。
購入の際は、必ずPC周りの使用電力量をご確認ください。
なお、UPSにはさらに上位の常時インバータ方式(切替時に瞬停しない)というものがありますが、一般家庭のPCでそこまでやる必要はないかなと感じます。
私は最安クラスのUPSで十分にやっていけてます。
一瞬の停電が続いた後は停電にも注意
最後に、注意喚起です。
瞬停が発生した場合は、「そろそろ停電するかも」という心構えをしておきましょう。
台風時の瞬停の発生理由は、主に送電線や配電設備の接続不良ですので、
そろそろ電線切れそうだけどギリギリ保ってる等、そういった状況であることが考えられます。
台風や天候が大荒れの際の瞬停は「停電のサイン」として受け取り、
ペットボトルの水の蓄えや、PCをシャットダウンする準備等、停電に備えておくのが良いでしょう。
関連記事:台風で停電、断水は何故起こる?原因・理由とその対策
まとめ
以上、台風等で一瞬停電(瞬停)する原因や影響・対策について説明しました。
主なポイントは以下のとおり。
・台風時は暴風雨による電線や配電設備の接触不良が原因
・台風時に瞬停が発生したら、その後停電する可能性大
・精密な電子機器への影響が大きいが、無停電電源装置(UPS)で対策可能
しっかり備えていきましょう。
コメントを書く